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◆JUNK3

JUNKには、ブログなどで勢いのままに書きなぐった小ネタが5話ずつ格納されています。
たまにこっそり加筆したり訂正したり。↑OLD↓NEW


◆お年玉…(蘇生14歳アイオロス&黒サガ&カノン)

「あけましておめでとうサガ。そんなわけで私にお年玉をくれないか」
 新年早々双児宮へやってきたアイオロスの挨拶に、黒サガの光速拳がとびました。アイオロスもそれは予測していたのか難なくかわし、平然とリビングへ足を踏み入れてきます。
 横で見ていたカノンは、二人の周囲から花瓶その他壊れ物をさりげなく片付け始めました。

「年明け早々金銭要求とは、良い度胸だサジタリアス」
「年明け早々褒められると照れるなあ。『お年玉』の意味を知っているなんて、サガは東アジアの風習に詳しいね。俺は女神に聞いたんだけど」
「あの小娘の入れ知恵か…貴様に与える物品などない。獅子宮の弟から貰えばよかろう」
「それが、お年玉は目上から目下に贈るんだって。なあなあサガ、俺に渡せば目上気分が味わえるぞ?」
「…貴様は私に喧嘩を売っているのか」

 カノンは黒サガの神経の太さに常々感心していましたが、その黒サガにお年玉を要求するアイオロスの神経も並ではないと更に感心しきりです。ぶっちゃけ呆れているのですが。
 正直関わりたくはなかったけれど、新年最初の1日を住居破壊で開始したくないので、カノンは仕方がなく仲裁に入りました。
「おいアイオロス、何で急にお年玉なんだ?金が欲しければシオンにでも請求すればいいだろう」
「いや、サガから貢いで欲しいんだ」
「目上から目下には貢ぐと言わないぞ…。だからどうしてサガなんだ」
「だって、お年玉の『たま』というのは元来は魂の事なのだろう?サガの魂を分けてもらえるのなら、私は1ユーロ分でも大事にする」

 何だか風習の内容を色々勘違いしているようでしたが、アイオロスなりにサガと仲良くなりたい気持ちゆえの行動らしいと判り、カノンは肩をすくめて黒サガを振り返りました。
「払ってやれば?何かお年玉を渡すまで居つきそうだし、ごねるのも大人気ないぞ」
 諭された黒サガは苦虫を噛み潰したような顔をしていましたが、しぶしぶ返答します。
「しかし、現金など私は持っておらん」
「じゃあ、別のタマを握らせれば?下半身の…」
 カノンが言い終わる前に黒サガは光速で弟をしばき倒すと、その懐から財布を奪い、財布丸ごとアイオロスに渡しました。弟にだけは多少甘い黒サガも、シモネタは許しません。

「サガ…これってサガからのお年玉っていうのかな…」
 アイオロスは不満なのかとても微妙な顔をしていますが、黒サガは
「三人が少しずつ不満な三方一両損だ、我慢しろ」
 とニッコリ微笑みました。カノンは殴られた頭を抑え
(サガは何一つ損してないだろ!)
 と心の中で突っ込んでいましたが、もちろん命が惜しいので口には出せませんでした。

 かなり微妙にではありますが、黒サガとアイオロスの距離もちょっぴり近づいたようでした(そうでなければ、黒サガがアイオロスに笑いかけるなどありえません)。
 カノンは手のかかる二人を眺めつつ、後で白サガに財布分のお年玉をねだろうと決意したのでした。

 願わくば、今年も聖域と世界の皆にとって良い年となりますように。

2007/1/4

◆ダラダラ…(ラダ不在のラダカノ&サガ)

「カノン。いつまでも正月気分でいないで、そのダラダラした生活態度を改めなさい」
「仕事の無い時くらい、双児宮で寛いでも良いだろう」

 カノンは主に海界で任務をこなしていますが、聖域からの仕事にも協力するので普段はサガよりも忙しいほどです。
 久しぶりの連休はサガとノンビリ過ごしたいと、双児宮で正月中ごろごろ転がっていたのですけれど、どんなときでも規則正しい生活を心がけているサガにとっては、それが不満のようでした。

「聖闘士たるもの、休みの日であっても気を引き締めるべきだ。年始の挨拶に突然の来客があったらどうする。そのだらけた牛のような姿を見せるつもりか」
「女神が来るというのなら身だしなみも考えるが、女神はいま日本だ。それ以外で突然ここへ来るのは黄金聖闘士と青銅の小僧くらいだろ。今更気を使う相手でもねえよ」

 そう答えて兄の説教を適当に流し、寝起きのままリビングのソファーに転がってTVゲームをしていたカノンへ、サガは怒りもせず次のように言い足しました。

「そうだな。お前がそう言うと思って、ラダマンティスを呼びつけておいた」
「…は?」
「あと5分もしないで此処に来ると思う」
「ちょ、おい待て、なんの準備も、部屋の掃除もしてねえよ!つうか何でお前がラダマンティスを呼びつけてるんだよ!」
「防災訓練のようなものだと思いなさい。ダラダラもラダラダも似たようなものだし」
「全然似てねえ!」
「これでカノンも判ったろう?いつでもだらけずに生活する事の大切さが」

慌ててシャワーを浴びに行ったカノンは、最後の方の言葉など聞いちゃいませんでした。

2007/1/7
シュラ誕数日前…(シュラ祝い)

白サガ「シュラ…君の名前にちなんで、誕生日はオーソドックスに修羅場でいこうと思う」
シュラ「…お願いですからやめて下さい。どんな修羅場ですか」
白サガ「ちゃんと君を主役にした修羅場に」
シュラ「絶対にやめてください」
白サガ「物より想い出ということで、誕生日に黄金聖闘士からモテまくるという、男冥利につきる一日を皆でプレゼントしたいと考えたのだが…」
シュラ「男ばかりにモテまくる想い出ですか…(遠い目)」
黒サガ「不満か?では私と白い私とお前の修羅場ならばどうだ」
カノン「サガ、それは修羅場ではなくて両手に花だ!却下!」
アイオロス「その修羅場、私も混ざりたいなあ」
アイオリア「兄さんが混ざると収拾がつかなくなるだろ」
黒サガ「サジタリアス、この私からシュラを奪おうとは良い度胸だ。死ぬ覚悟は出来ているのだろうな」
シュラ「サガ…誕生日は4日後なんですが、今からもうその設定で修羅場が始まっているのですか(汗)」
カノン「…黒サガはシュラをダシに、アイオロスをぶちのめしたいだけだろ(ぼそ)」
アイオロス「じゃあシュラがサガのものになって、サガが俺のものになれば、何の問題もないよね」
アイオリア「大ありだ兄さん」
カノン「シュラを主役にしろって言ったろ。サガ争奪戦じゃなくてシュラ争奪戦だっての」
アイオリア「他の黄金聖闘士は全員参加協力してくれるって…俺は反対したんだが…」
カノン「ムウや蟹は、明らかに祝いの気持ちからではないな。むしろ山羊座イジメだな」
白サガ「シュラ、君の気持ちが誰に向いているかによって、修羅場の種類が変わってくるのだが…何かこうして欲しいという希望はあるだろうか?」

シュラ「…とりあえず胃薬が欲しい。あと誕生日は普通に頼みたい」

2007/1/8

◆触手…(大人的触手活用編・おおまかに黄金一同)

「ラダに無理言って触手を借りてきてやったぞ、オレに感謝しろよ」
「ヒャヒャヒャ、オレは触手ではなくて地伏星の…」
 ライミが自己紹介する間もなく、カノンは彼を殴って気絶させた。
 手早く触手部分を掴むと、動かなくなったライミごと引きずって一同へソレを見せる。
「こら、客人に手荒な真似は…」
 倒れているライミを心配しているのはサガだけで、残りのメンツは間近で見る敵の冥衣に興味津々だ。

「聖衣と比べて硬度はどうなんだ?」
「伸縮性がありますね。触手の一節分でも貰えれば、詳細に調べられるのですが」
 冥衣の機能や材質に反応を示しているのがデスマスクとムウ。特に修復師のムウは分解したくてウズウズしているようだ。パソコンを見るとまずハードやスペックに興味をしめすのがこの二人だ。

「これをどうやって動かしているのかな」
「小宇宙でしょう。星雲鎖のような自動防御は無いようですから」
 稼動面への興味を示すのはアイオロスとアフロディーテ。こちらはソフトウェア派と思われる。
 二人とも瞬時にこの冥衣の形状を把握し、その攻撃の軌跡をシミュレーションしている様子だ。

「そんな事を知る為に冥闘士を呼んだのかね。大人の触手の使い道を探るためではないのかね」
 シャカは細かいことを考える前に圧倒的な小宇宙で敵を倒すので、冥衣の瑣末など気にしない。電波でありながら物事の真実を掴む力に長けているシャカの一言で、黄金聖闘士(の一部)は我に返った。

「そうですね、折角触手を借りたのですしね」
「何か大人的目的に使わないと勿体ねえな」
「え…そんな目的で借りたのか…?」
 真顔で頷く羊と蟹を、アイオリアが呆れながら見ている。
 サガはそもそもシャカの言葉の意味が良く判っていないので遠巻きに聞いている。シュラは関わりたくないのでさらに遠巻きだ。

「アイオリア、ちょっと使い方の見本を見せてください」
「何を当たり前のように言い出すのだムウ。オレに恨みでもあるのか」
「誤解ですよ。貴方が困ると面白いなと思っているだけです」
「オレはお前のそういうところが…って、こら!やめろ!」
 獅子の抗議は無視され、丁度良い被験対象とばかりに近くの三人が押さえつける。
 シャカによって腕の動きを封じられたアイオリアの身体は、デスマスクとムウによってぐるぐると触手を巻きつけられた。
「ハーデス戦の時、サガとシュラはアイオリアの戦いを見てらしたんですよね?こんな感じでしたか?」
 一通り巻き終えるとムウは爽やかに二人に尋ねた。シュラは聞こえないフリをしたが、サガは当時を振り返りながら真面目に答えた。
「そうだな。大体そんな感じであったように思う。あの時もアイオリアを見て思ったのだが、そんな風に触手を身に巻いていると…」
「萌えますか?」
「…大リーグ養成ギブスのようだ」
「あははは、サガは上手いこと言うな!リアってそういうの似合うよな」
「アイオロス。筋肉男の貴方も同類ですよ」
「何だその健全な感想は!せっかく触手を借りてきてやったのに宝の持ち腐れじゃないか!」
「宝か…?」
 ムウとサガとアイオロスの会話にカノンがぶつぶつ文句を言い、それを聞いたシュラがますます遠い目となっている。

 結局、養成ギブスなアイオリアが記念写真を1枚撮られただけで、ライミは返却されていってしまったのだった。アイオリアは怒ったが、後でサガとアイオロスが散々慰めた上、食事を奢ったので結果オーライ。

2007/1/13
◆ファシナトゥール…(サガフロンティア・アセルス編パロディ)

 事故で魅惑の君と呼ばれる妖魔ハーデスの血を受けてしまったサガ。それ以来、サガは半妖魔として生きることになりました。ちなみにハーデスは108人も寵姫…ではなく冥闘士を持つというハーレム野郎です。

 半妖魔であっても通常生活には何の問題もないのですが、戦闘で小宇宙を高めると妖魔の血に目覚めて、強大な力を持つ黒サガ化してしまいます。
 妖力を付けたサガに気づいたハーデスは、お気に入りの金獅子のアイオリアや白薔薇と呼ばれるアフロディーテを差し向けますが、彼らは返り討ちにあっただけでなく、白薔薇などはサガに惚れて一緒にくっ付いて行ってしまいました。
 さあ、そうなるとプライドの高いハーデスは本気でサガと男たらし合戦です。

 そのうち、新たなる妖魔の王国を打ち立てる野望を隠し持つカノン、サガを戦闘訓練で鍛えてくれるアイオロス、サガに惚れた罰として闇の迷宮に閉じ込められてしまった白薔薇の代わりに来たデスマスク、零のシオンと呼ばれるハーデスを最初にフった男などが仲間に加わり、紆余曲折の末ハーデスを倒すことが出来ました。ラスト戦闘でハーデスを補佐するヒュプノス・タナトス・パンドラの全体攻撃では何度も全滅させられかけましたが、こちらも遠慮なくアテナエクスクラメーションを連発して対抗したのです。

 けれども、戦いで妖魔の力を使いすぎたサガは完全に黒サガ化してしまい、仲間だったアイオロスは失望して彼の元を去ってしまいました。
 シュラとカノンに命じてアイオロス討伐に向かわせるサガ。彼にかつての清楚な面影はもうありません。白薔薇の事も、あんなに好きだったくせに「ハーデスのお古だから」というだけの理由で棺桶に閉じ込めて釘で縫い付けてしまいます。白薔薇だけでなく、ハーデスの冥闘士だった108人全員を棺桶に封印するよう彼は笑って命じるのです。

 そしてサガは自分だけの闘士を集めるべく、人間狩りを始めるのでした。

2007/1/14

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