JUNKには、ブログなどで勢いのままに書きなぐった小ネタが5話ずつ格納されています。たまにこっそり加筆したり訂正したり。↑OLD↓NEW
◆無為に…(蟹&サガ)
サガ「『たまには仕事ばかりでなく、世俗へ降りて無為な休暇をとってみろよ』…とお前が勧めたので、中心街の第三ストリートを無為に12往復ほどしてみたのだが、5往復目ほどで迷子に間違われ、9往復目で生まれて初めての職務質問をされた」
デスマスク「…すまん、無為にってそういう意味じゃなかったんだ俺が悪かった」
2011/11/02 移し忘れSSを移動
◆おねだり機能…(カノンとサガ)
サガ「カノン、すまないが海界帰りに食パンを買ってきてくれないか」
カノン「頼みたいのなら、おねだり機能を使え」
サガ「なにを朝からわがままを言っているのだ」
カノン「使わないと買ってきてやらん」
サガ「そうは言われても、やり方が判らぬ。お前が我が家にもおねだり機能を導入したいと主張するから、取り入れはしたが」
カノン「愛情を込めて甘えるように頼めばいいんだよ」
サガ「甘えはともかく、愛情はいつでも込めているぞ?」
カノン「………!」
2012/10/26 通販でおねだり機能というものがあることに驚愕。しかしカノンの言うおねだり機能は別物です。
◆冥界での立場…(カノン)
「カノン、行くのなら黄金聖衣を着ていきなさい」
冥界へ出かけるとき、特にワイバーンと会うときに限り毎回サガがそのように言うので、モヤモヤしたカノンは兄に尋ねた。
「なあ、あいつに会うときに限ってそう言うのは何でだ?三巨頭相手にスペアのオレが箔落ちしないように気を遣ってくれてんのか?それとも冥闘士と黄金聖闘士の立場を互いに自覚しろって意味か」
問われたサガは、まっすぐにカノンを見つめ返した。
「お前はスペアではない。どちらかといえば後者のほうだ」
「オレに黄金聖闘士の自覚がないと?」
「…そうは思っていない。しかしお前は海将軍でもあり、ただのカノンでもある。双子座のカノンならば、あの男に対戦を求められたとて、私闘禁止のアテナの掟に従い留まるだろう。だが、そんなものに縛られぬお前であったときは…おまえは彼の挑戦を受けるのではないか?」
「……」
「あの男とお前が本気で闘ったら、今度こそ無事では済むまい。それはいやなのだ」
「……」
「もっとも、それはお前が決める権利のあるはなし。これは双子座のサガではないわたしの、ただのわがまま」
サガのほうが怒ったようにプイと視線を逸らす。
逆にカノンは困ったように、兄の横顔を黙ってみつめた。
2012/10/29
◆ラダ誕の日…(ラダカノ前提でロスサガ)
「あの男には感謝しているのだ」
ベランダにある石造りの欄干によりかかり、サガがそんな事を言った。
「女神の愛に触れて改心したカノンが、単に女神への借りの返済と責務のために終えようとした聖戦での戦いを、カノン自身にとっても意味のあるものにしてくれたのだから」
開け放たれた窓扉から秋風が吹き込んでくる。少し冷えるけれども、鍛えた聖闘士ならばその程度は気にならない。
部屋の中で、アイオロスはサガのために紅茶をいれながら相槌をうつ。きちんとティーサーバーで3分蒸らしたアッサムティーだ。
「冥界のワイバーンは、ずいぶんカノンとの対戦に拘ったんだってね」
「ああ、他の三巨頭の手出しを許さぬほどであったと聞いている」
「感謝しているけれど、気に食わない?」
忌憚なく尋ねると、サガはその秀麗な表情を少しだけゆがめて苦笑した。
「そういうわけでは…いや、そうなのだろうか」
風に乱れて目に掛かった前髪を指先で払う姿は、サガにしては珍しく迷っているように見える。
「今日は確か、そのワイバーンの誕生日だろう」
「ああ」
「いつもは君もカノンと一緒に、ワイバーンの居城・カイーナへ押しかけたりしていると聞いている。今年は行かないの?」
「いや、用事があるゆえ、先に行ってくれとカノンへは伝えてある」
その用事って、俺とのこの雑談のことなのかなと、首を傾げつつもサガを呼ぶ。
「紅茶が入ったよ。中においで」
「アイオロス、わたしは」
聞こえていないかのように、サガが続ける。
「敢えて先にカノンを行かせたのだ。二人になったところを、邪魔するために」
髪の先が、半分ほど黒くなっている。
その視線には、何かを訴えるような、助けを求めるかのような揺らぎがみえた。
「…本当に珍しいね」
聞こえないくらいの小さな声で呟くと、アイオロスはもう一度サガを呼んだ。
「サガ、一緒に紅茶を飲もう。それから」
少し間を置いて続ける。
「俺は君を、行かせないよ」
サガが揺らいだままの視線でアイオロスを見つめる。
多分これで正解なんだろうと思いながら、アイオロスはこちらへ歩いてくるサガに微笑んだ。
2012/10/30 ラダ誕ですがラダがいないのでイベントコーナーでなくこちらに(汗)
◆はろうぃん…(双子神)
「今日はハロウィンだな、タナトス」
「フッ、知っているぞヒュプノスよ。地上へ侵攻しても歓迎される日であろう」
「…何故そう思ったのだ」
「菓子が振舞われるゆえな!」
「…子供にだけだと思うが」
「黄泉から一時帰宅する先祖がもてなされぬわけがあるまい」
「…盆と混同しておらぬか」
「知ったことか、オレも菓子が欲しい」
「…お前というやつは」
ヒュプノスはため息と共に飴玉をタナトスに渡した。
しかし不満そうな視線が収まらぬため、仕方なくヒュプノスは地上からデスマスクを菓子作成要員として呼びつけた。
2012/10/31