連載と同時進行で書いていたため、元ストーリーと繋がらない勝手なパラレル多め。
星矢とのクロスオーバーが混じったりもしますので、苦手な方はご注意下さい。
51.笑顔の種別 / 52.鬼は内でも悪魔は除外 / 53.じゃがいも飴
◆笑顔の種別…LC&無印双子クロスオーバー
雑兵A「相変わらずサガ様の笑顔は神のようだな」
雑兵B「騙されるな。あの方は二重人格なのだぞ。どうせ表面上だけの笑顔に決まっている」
雑兵C「二重人格と裏表ある性格は違うのではないか?善の人格なら裏はないだろう」
雑兵B「ううむ…しかし…」
デフテロス「お前達、表面だけの笑顔と本物の笑顔の区別もつかぬとは情けない」
雑兵一同「先代ジェミニ様!」
カノン「そいつの言うとおりだ。お前達、向こうにいるアスプロスを見てみろ」
雑兵A「あの方はいつも楽しそうですね」
カノン「やつの笑顔はサガの笑顔と比べてどうだ」
雑兵B「…完璧な神スマイルなのに、サガ様の笑顔とは何か違う…」
カノン「だろう?あの神のようでありながら胡散臭い笑顔、裏表のある笑顔というのはああいうのを指すのだ!」
デフテロス「失礼な。あれは営業用なだけだ。奴の本当の笑顔はそれはもう輝かしいのだぞ。軽々しく拝めると思うな」
カノン「ノロケならそれ以上言わなくていいからな?」
2012/10/02
◆鬼は内でも悪魔は除外…節分でふたごと杳馬
「節分?確かに似たような行事は古代ギリシアにもあったが」
アスプロスは冷たい目で相手をみやる。
「誰が何をもって何を鬼と定めるのだ。人間が勝手に決めた対象を、人間の都合で凶となし追い払うような猿真似など、くだらぬ」
彼の言い分に弟の境遇が影響を与えていたことは言うまでもないが、その弟が横から口を挟んだ。
「俺もそう思うが、しかしアスプロス。悪魔がやってきて、闇を振り撒くのを払防げるものであれば、防ぎたいと願うのが人の心ではないだろうか」
悪魔はアスプロスのような真っ直ぐな心の中にすら入り込むのだから。
アスプロスはデフテロスの真剣な顔をみて、小さく笑った。
「なれば、必要なのは豆を撒くことではなく、己のなかに闇を招かぬよう心を強くすることではないか?」
デフテロスは暫し黙り、兄の言葉を考えているようだったが、それでもゆっくりと返した。
「俺たちはそうするだろう。だが、弱い者が何かに恃むことによって安心を得ることは、そう悪いことでもないのではなかろうか。俺とて大切な者に闇が近づくのを、避けることができるのならばそうしたい」
「ふむ」
アスプロスは否定するでも肯定するでもなく返事をして、それから来訪者へ振り向いた。
「何にせよ貴様を家に入れる気はない。帰れ、杳馬」
けんもほろろに言い放つアスプロスへ、杳馬がにたりとした顔を見せて食い下がる。
「いやあ、どこも鬼は外って追い出すのよ。鬼兄弟のアンタたちの家なら入れてくれるかと思って」
「「それは節分に関係なく貴様の日ごろの行いが悪いのだ」」
双子は声を重ねて杳馬に言い返した。
2013/2/4
◆じゃがいも飴…無印双子でLCクロスオーバー
『サガよ…ジェミニのサガよ…』
「カノン、同じ席についているのに携帯越しで会話するような小宇宙通信はやめなさい」
「いや、口にお前の作ったおかずが噛み切れなくて入ったままだから、そのまま会話するのもどうかと思って…コレ何?」
「じゃがいもの煮転がしだが」
「いやまて、これジャガイモじゃないだろ。見た目からして違うだろ。小石が並んでるのかと思ったぞ」
「お前は兄が小石を食卓に並べる男だと思っているのか」
「思わないから一応聞いたのだ。ジャガイモを飴にしたのか?」
「違う!これはデフテロスから聞いた秘伝の調理法を用いたものだ」
「ほう、デフテロスから」
「調理中に圧力を加えると味が染み込みやすくなると。原理を聞いたが理にかなっている」
「なるほど、判った。お前が料理に関してはバカだと言うことが」
「なんだと」
「今度デフテロスには圧力鍋の存在を教えてやろう。そしてサガ、お前はもう食べ物を小宇宙で圧縮するな」
2013/2/13