JUNKには、ブログなどで勢いのままに書きなぐった小ネタが5話ずつ格納されています。たまにこっそり加筆したり訂正したり。↑OLD↓NEW
◆対立のポジション…(射手+双子+翼竜)
テーブルに座る位置で相手との立場や親密度がわかるという説がある。真向かいに座るのは対立のポジションで、隣に座るのは情のポジションとかそういう。
カフェに入ったアイオロスは、当たり前のように自分の正面へ座るサガを見てそんなことを思い出していた。カノンはどうするかと見ていると、サガの隣へ座った。ラダマンティスは必然的にアイオロスの隣に腰を下ろす。
(そういえば、四人で出かけた時って、テーブルに座るといつもこの配置だよな。俺とラダマンティスが仲良くなってしまうわけだよ)
振り返って考えるに、サガと二人で出かけたときとて、横並びで座ったことなどない。やっぱりサガは自分に気を許してくれていないのだろうか。
(まあ、考えていても仕方ないよね)
アイオロスは真正面のサガの顔をじっと見る。見つめられたサガは怪訝そうな表情をした。サガは仕事中でさえなければ意外と表情豊かだ。
「何かわたしの顔についているか?」
「いいや、相変わらず綺麗な顔だなと思って」
笑って答えると、からかわれたと思ったのか、サガの眉間に皺がよる。
サガの顔をじっくり見て、反応を確かめることの出来るこの位置を、自分は嫌いではないなとアイオロスは思った。
2013/3/28
◆監視対応…(双子+シオン+モブ)
シオン「お前たちを他界の監視要員とする。尖兵が現れたら接近してその意図を探れ」
カノン「接近方法は手段問わなくていいんだな?」
シオン「そなたたちに任せる」
カノン「誑かすのならオレ向きだ」
サガ「まて、何故誑かす必要があるのだ」
カノン「古今東西、色仕掛けで情報を得るのは基本だろ。おまえだって人たらしの才能はあるんだからさ」
サガ「ばばば馬鹿を言うな!幻朧拳で良いではないか!」
カノン「監視役なんて、何もなければつまんねー仕事だぞ。少しくらい他界のザコで遊んでもいいだろ」
サガ「監視は遊びではない!それに非人道的だ!」
カノン「幻朧拳で強制するほうが非人道的だと思うんだが。オレのやり方は少なくとも駆け引きがあるんだからさ」
サガ「色仕掛けなど黄金聖闘士のするやり方ではない!」
カノン「オレはスペアだしなー」
サガ「絶対にゆるさーん!」
カノン「あのな、お前こそ仕事なんだから割り切れよ。こういう人心掌握のテクニックは外交でも使えるんだから、勉強だと思って試してみたらどうなんだ。やりもしないで視界を狭めるのはお前の良くないクセだぞ」
サガ「し、しかし…」
カノン「しかしではない。だいたい相手だって諜報要員の尖兵なんだから、同じことをこちらにしてくるはず。遠慮は必要ない」
サガ「そういうものだろうか…」
シオン(これは人選を誤ったかもしれんな)
サガ「不本意だが、今日は諜報の仕事を頑張った」
カノン「へえ、成果は?」
サガ「相手の好みを事前に聞き出しておいて、プレゼントをした。食事の好みも相手に合わせたイタリアンで、興味のありそうな施設や店に案内して…結構な出費であったが…」
カノン「おい待て、それは単なる接待だろ。しかも何でお前が金を出すんだよ、相手に出させるんだよ!」
サガ「わたしが機密情報を教えてもらうのに、何故相手が金を出すのだ」
カノン「その発想はなかった」
白サガ「わたしの諜報活動の結果、聖域に情報を渡したことがバレて、あの者は冥闘士の仕事をクビになったそうだ。わたしのせいで相手の人生を狂わせてしまった…」
黒サガ「さんざん13年間大勢の人生を狂わせたのだ。一人くらい誤差の範疇だ」
白サガ「それは申し訳ないと思っているが、わたしが意図したものではない!」
黒サガ「今回の件はいいのではないか?神への忠誠より色恋をとるなど、所詮は斥候レベルの雑兵、その程度であったということだ。それに、冥界が裏切った冥闘士をクビ程度ですませたなら、そういう意味でもその程度の雑兵であったのであろう」
白サガ「そんなことが言い訳になるか。うう、この身をもって償うしかないのか」
黒サガ「具体的にどうするのだ」
白サガ「相手が気の済むまで付き合う」
黒サガ「それより殺してしまえば後腐れが無くないか?」
カノン「どちらもダメだからな」
カノン「おまえな、ちゃんとフってやれ」
サガ「……しかし」
カノン「お前にいい顔をしたのは情報を得るためで、利用しただけだと。斥候だから近づいただけなんだとちゃんと言え」
サガ「……」
カノン「それでもって、闘士としての戦いならいつでも受けてたつと伝えてやれ」
サガ「……わかった」
カノン「一発殴らせるくらいはしてもいい。…というか、オレが安易におまえをからかって悪かった」
2013/4/6〜4/8 なんか雑兵主人公の夢小説(モブ×サガ)のような妄想してました
◆間違えたー…(ロスサガかつカノサガで卒業パロ)
カノンとサガが結婚するという話にもアイオロスは驚いたが、その式場に乗りこんで、目にも美しくウエディングドレスで着飾ったほうを攫ってみたら、カノンだったことにも大そう驚いていた。
簀巻き状態の花嫁(男)を肩から降ろし、顔を何度も確認するも、やっぱりカノンである。
「ふざけるな離せ、アイオロス!」
「あれ?君カノンなの!?」
「見りゃ判るだろ!」
「いや…その、何で君がドレス着てるんだ」
「…オレの方がドレス着たら、茶番に付き合ってやってもいいってサガが」
そんなを事言われてめげないカノンも、本当にサガが好きだよなあとアイオロスは思った。
「てっきり君のことだからサガのほうに着せるものだと」
「うるさい、それよりそんな理由で女装してるほう攫ったのか。好きな相手の区別も付かないのか」
「それについては面目ない」
「お前、こんなことしてサガすげー怒るぞ」
「サガ、怒るかな」
「あらゆる意味で怒るだろ。弟のオレのほうを選んだと勘違いした時点で怒る。誤解が解けてもオレと間違えた件で怒る。間違えた理由で怒る。オレが抵抗もしなかった件で怒る。お前もオレも殺される気しかしない」
カノンの言い分はもっともである。
「そんな状態になるって判ってたのに、君もなぜ攫われるとき抵抗しなかったんだ」
「お前がオレの事を好きなのだとサガが勘違いして、お前をキライになればいいと思って」
「そういう骨を切らせて肉を断つ自爆戦法やめてくれないか。それに心配しなくてもサガは私のことを嫌いだと思う」
「…嫌いなだけであったら、オレもおまえのことを嫌わん」
勇気を振り絞ってサガを攫おうとしたのに失敗するわ、落ち込みかけたら恋敵に慰められるわ、さすがに英雄もうなだれるしかない。
ちなみに、残されたサガの方も、大変なことになっていた(主に周囲が)。
最初はただ項垂れていたサガの髪が、徐々に統合サガの色合いになってくのを見て、デスマスクは『やばい』と呟いている。付き合いの長い彼は、目の前の統合サガが、白サガの駄目な感じのところと黒サガの駄目な感じなところを合体させたタイプだと、経験則で理解していたのだ。
その時のサガの内面といえば、『カノンがアイオロスに選ばれたことにより、自分が教皇に選ばれなかった過去のトラウマ発動』・『アイオロスがカノンと逃げたことにより、アテナを持ち去られ自分だけ取り残される過去のトラウマ発動』・『カノンが消えたことにより、スニオン岬での過去のトラウマ発動』という大三元状態。
そんな心情なのに、神のような笑みを浮かべながら「兄として親友として、彼らが愛し合っているのならば応援すべきだな」などと抑揚無く言い出して、シュラは蒼白になっているし、ミロは聞かなかったことにしているし、アフロディーテの顔には男らしく「では私と結婚しないか」と書かれていたので、言葉になるまえにムウが外へ連れ出していた。
そこへアイオロスとカノンが「間違えた!ごめんな」と戻ってきたものだから、これは無償の愛をつかさどるサガ(自称)であっても、無言でギャラクシアンエクスプロージョンを放ったのは仕方がない流れだろう。
式場が更地になったあたりで、シオンは「お前達は三人で話し合え」とサガたちに優しく諭したのであった。直訳すると『他の人間を巻き込むな、面倒くさそうだから私も関わりたくない』である。
しかし、話合って黄金聖闘士がどうにかなった歴史などない。童虎はむしろ面白がって焚きつけようとしたので、強制的にシオンの手で連れ去られた。
この一件のせいで、聖域に暮らす人々の双子とアイオロスへの視線が多少生ぬるくなったが、英雄だとか元反逆者だとか、周囲からの余計な色眼鏡が減り、本音を言い合いやすい環境が整ったところは、せめてもの怪我の功名なのだろう。
2013/5/7 これを卒業パロと言うの気が引ける
◆シスコン2柱…(アテナと幼女パラスと真紅のアベル)
パラス「アテナは私と買い物に行くのー!」
アテナ「ごめんなさい、今日はもう会議の予定が入っているの」
パラス「そんなのキャンセルして!」
アテナ「駄目ですよ、パラス。神様は約束を守るものです」
アベル「我侭を言うなパラス。アテナが困っておろう」
パラス「うー…」
アベル「会議の予定はどこだ、アテナ」
アテナ「日本です」
アベル「では今から日本を沈めてくる。そうすれば約束を破ったことにならず予定があくだろう」
パラス「わーい、アベルお兄様ありがとう!私も手伝うー!」
アテナ「お兄様、パラス、ご冗談ですよね」
アベル「冗談ではない。そして空いた時間はこのわたしとティータイムを…」
パラス「ええ!?お兄様!アテナはパラスのなの!買い物いくの!」
アテナ「ふたりとも、そんなことをしたらもう口を利きませんよ?」
アベル「うっ…」
パラス「ええ…」
アテナ「会議は午前中で終わりますから、お昼をみんなで一緒に食べて、午後にお買い物しましょう。ね?」
パラス「わーい!アテナとおでかけ!」
アベル「それなら、まあ…」
アテナ「ふふ、では人間界での洋服を私が見繕ってさしあげます」
2013/5/8 兄も妹もかなり愛が重いタイプ
◆甘い安らぎ…(蟹に甘えてるサガ)
カノンが海界へ行ってしまって留守をしているとき、ときどきデスマスクが双児宮へ食事を作りにきてくれる。最初、『もう教皇ではないのだから、わたしの面倒を見なくてもいいのだよ』と伝えたことがあるのだが、手にした麺棒で頭をこづかれてしまった。そのことが嬉しくて、つい好意に甘える関係が続いている。
カノンのつくる食事も美味しいが、デスマスクの作る食事もまた格別に美味しい。そして彼の食事にはデザートがついてくる。カノンは甘いものを作らないので、これはデスマスクが食事をつくる時だけのお楽しみだ。
食事のあとはリビングへ場所をうつし、たわいもない話をする。チェスで駒を戦わせることもある。デスマスクはああみえて教養にとみ、会話も楽しい。偽教皇をしていた13年間は、仕事上の会話がほとんどであったため、じっくりと私的に言葉を交わしたのは聖戦後になってからなのだが、そのときあらためて彼の頭の回転の速さに舌を巻いたものだ。
会話が弾んで夜遅くなっても、決して泊まって行かずに巨蟹宮へ帰ってしまうのだけは不思議だ。枕が替わると眠れないようなタイプには見えないのだが。
「デスマスク、今度カノンがいるときにも料理を作りにきてくれないか」
ある日、自分だけがこの美味しさを味わうのは勿体無くて、図々しいとは思いつつも頼んでみた。パスタ生地を伸ばしていたデスマスクの手が止まる。
「あいつがいるときは、あいつの作るメシを食っとけよ」
「弟にもおまえの料理を食べさせたい。あれも口が肥えているので、きっと喜ぶ」
しかし、デスマスクは軽く肩をすくめる。
「弟がいるときに、家族のスペアはいらんだろ」
思わず麺棒でデスマスクを殴ってしまったのだが、打ち所がわるかったのか昏倒してしまったので、わたしは慌ててヒーリングをする羽目になった。軽くこづいただけのつもりだったのに。
何だかんだ言いながらもデスマスクは私の頼みを聞きいれて、カノンが帰宅した日に食事を作ってくれた。仕事で疲れている日にカノンに食事を作らせるのは申し訳ないし、わたしが作るよりデスマスクの食事のほうが美味しいから、カノンも嬉しいだろうと思う。案の定カノンは食事を残さずたいらげて旨いと褒めていた。デスマスクの料理への評価が高いと、なんとなくわたしの鼻も高い。
ただ、その日の食事にはデザートがついていなかった。
そして、デスマスクが帰ったあと、カノンに『あまり後輩に面倒かけるなよ』と何故かクギをさされた。
2013/5/17 恋愛音痴なダメ人間タイプのサガ