01. 白の葛藤 / 02. 黒の嘆き / 03. 白の愚行 / 04. 黒の憤怒 / 05. 白の優越
06. 黒の幸福 / 07. 白の謀り / 08. 黒の貪欲 / 09. 灰色の、 / 10. 色を与える存在
◆白の葛藤
「地上の平和と女神と弟と友、1つだけしか選べないとしたらどうしようか」
「何で兄さんはそういう意味の無い選択が好きなんだよ。
しかも選択肢多いし。
女神選んで、女神に残り全部救ってもらうということで妥協しとけ。
世界が滅んでもいいなら弟を選んどけ」
◆黒の嘆き
「私はなにも全世界を願ったわけではない。人の住まう地上のみを望んだものを」
◆白の愚行
「この身に潜む悪の心を、お前を決して私は許すまい」
「弟の悪行もか」
「もちろん許さぬ」
「千尋の谷へ突き落とす前に、通じる言葉で説明してやれば良いのに」
「這い上がってきてから説明すれば済むこと」
◆黒の憤怒
「女神よ、神は神同士、勝手に諍っておれば良いだろうに、何故地上を巻き込むのだ」
「諸神が地上を狙うのがいけないのです」
「地上に住まう他の神はどうした」
「父上が制圧しました。」
◆白の優越
「この地上を護るのは、力だ」
「だが、力だけでは、この地上を治めることは出来はしない」
「いいや、力だ。権力・魅力・知力・財力・軍事力・統治力…すべからく支配には力が必要だ。
そして私にはそれらの全てがある」
「だがお前は、私ですら支配出来ていないではないか」
◆黒の幸福
アレがまた泣いている。
よく涙が尽きぬものだと呆れてしまうが、アレの流した涙が私の血となり糧となって満たされると思うと、魂が空になるまで泣き尽くせばいいとも思う。
「サガ」が失ったものを『サガ』が受け取っているのだから、全体としてみれば、何の問題もない。
弟を失って、私は孤独を手に入れたし、
友を失って、私は絶望を手に入れたし、
女神を失って、私は自分が神となった。
全てを失って、私は全てを手に入れる。
サガを失って、私は自分を手に入れる。
◆白の謀り
本当は何一つ失われてはいない。
私は弟を失ってはいないし、
私は友を失ってはいないし、
女神もまだ生きておられる。
力およばずとも、抗いつづける。
この心が折れた時こそが、本当の裏切りになるから。
◆黒の貪欲
「私が本当に欲しかったのは、揺らぎない私」
◆灰色の、
かつて世界が灰色に見えたけれども
今は私の内面にその世界がある。
善も悪も正も負も、全てが溶け込んだこの状態をヒトというのかと女神に尋ねたら
「まだ色が足りませんよ」
と女神が答えた。
◆色を与える存在
白と黒を混ぜても、それはモノクロのままで。
私は色を自分以外に見出すしかなかった。
光を与えてくれたのが女神だとしたら、私へ色を与えてくれたのは君。
『君』にはサガの周りの誰もが当てはまる気がします(^-^)お題クリアー!